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「座る」を考える

 「椅子に座る」正しい姿勢というのは、同じ姿勢を長く保つのではなく姿勢を自由に変えられること、動きの自由度を保つことが重要であるという説が現時点では有力です。以前、20世紀中ごろは直立姿勢が基準にある、「骨盤の角度」ないし脊椎の湾曲を保つこと(背筋のS字湾曲)が奨励されていましたがそれだけでは椅子に座ることのストレスは解決されず、現在の自由度の確保という方向にあります。20世紀中ごろの直立姿勢が基準の考えも決して間違いではなく、ただそこに縛りつけるのではなく、骨盤の角度、脊椎の湾曲を倣うような型が良いのではというのが私の現時点での見解です。倣うと表記したのは腰回りの位置をストレスなしに動かせる余裕を持たせるという意味で。それとこれまでの生活で培った身体的特徴は個人差があるので個別に対話しながら製作するというのがより理想的であると考えます。